便の硬さは、大腸を通過するスピードで決まります。下痢気味の便は、大腸を猛スピードで通過した結果です。硬い便は、大腸を通過するのに時間がかかったことを意味します。
大腸の入り口では水分量が多い
腸の内容物は、大腸の入り口に達した時は、水分量が多くシャバシャバの状態です。大腸を進む間に、腸壁から徐々に水分が吸収されて固形の便になります。
内容物から水分を吸収するのは、大腸の働きのひとつです。
下痢がおこるメカニズム
大腸を猛スピードで通過していくと、大腸は内容物から水分を十分に吸収できないので水様便、下痢状の便になります。
便秘だと便が硬くなる理由
反対に便秘だと、大腸にとどまる時間は長くなります。大腸に留まっている間に水分がどんどん吸収されて、カチコチの硬い便になります。
蠕動運動の強さが大腸の通過スピードを決める
大腸を通過するスピードは、蠕動運動の強さで決まります。蠕動運動が強いと、腸の内容物は猛スピードで腸を通過するため下痢気味になります。腸の蠕動運動が弱いと、便は腸をゆっくと進み、腸の滞在時間が長くなるため、便秘気味になります。»蠕動運動とは?
便秘薬や下剤で下痢がおこるのは?
便秘薬や下剤を飲むと、下痢気味になります。腸を刺激して、強い蠕動運動をおこすので、内容物が大腸を猛スピードで通過してしまうからです。大腸の水分吸収が間に合わず下痢気味になります。
腸の蠕動運動は、強ければよいというものではありません。下剤や便秘薬で無理やり腸を刺激して強制的に蠕動運動をおこすことは腸に大きな負担をかけます。あくまでも最終手段として使用し、常用しないようにしましょう。